高次脳機能障害専門外来(平成27年4月1日より開設) 保険適用
高次脳機能障害専門外来について
高次脳機能障害専門外来は、高次脳機能障害の診断・治療のみならず、社会資源調整(精神障害者保健福祉手帳や障害年金の取得などを含め)や復職に向けての相談、家族療法セミナーによる支援などを含めた、総合的な支援を行うことを目的としています。
また高次脳機能障害のみならず、その類縁疾患である認知症や発達障害に対しても同様の総合支援が可能です。
高次脳機能障害とは?
スライドは、粳間剛講演会資料1)より改定転載
*講演資料1). 一般財団法人ライフ・プランニング・センター主催
「医療従事者が知っておきたい高次脳機能障害の理解とリハビリテーション」
2012年10月6日東京
高次脳機能障害を平たく言えば、脳の病気や怪我で頭の働きが悪くなってしまう障害の総称です。
(ここでいう「頭」とは、頭がいい・頭の回転がはやい・頭がきれる、などと言ったように使われる意味での「頭」です)
物覚えが悪くなってしまった、最近集中出来ない、などがあれば、頭の働き(≒高次脳機能)が落ちている可能性があります。このような頭の働きの低下が、脳の病気や怪我になった後に起こってきた場合は高次脳機能障害である可能性が高いと言えます。
高次脳機能障害と認知症の違いは?
認知症の診断基準でも、「元々のレベルより頭の働き(≒高次脳機能)が低下していること」が重要になります。この点は高次脳機能障害と共通です。この頭の働きの低下の程度が強く、一人で社会生活が送れない状態になった場合を一般に認知症と呼びます。よって、認知症も、「頭の働き(≒高次脳機能)が低下している」という点においては高次脳機能障害と同様です。認知症の当事者・御家族にも、高次脳機能障害同様の総合的な支援が必要であることがわかります。
まんがは、粳間剛解説論文2)より改定転載
*論文資料2). コメディカルのための邪道な脳画像診断養成講座第四回「認知症の白と黒」
「【月刊】地域リハビリテーション」.2015年10巻4号参照
発達障害との違いは?
発達障害も、頭の働き(≒高次脳機能)が悪い状態であることに違いはありません。
高次脳機能障害も認知症も「元々のレベルより頭の働きが低下していること」が重要でしたが、発達障害と診断する上では、「元々どうだったか?」という点は必ずしも重要視されません。
最も重要視されるのは年齢です。
スライドは、粳間剛講演会資料3)より改定転載
*講演資料3).一般社団法人ナンフェス主催.「高次脳機能障害」と「成年後見制度」
2012年11月25日.東京
行政用語としての高次脳機能障害の診断基準を見てみると、「元々のレベルより頭の働きが低下することが、成人する前に起こった」場合は高次脳機能障害という用語を使えないことがわかります。例えば、「幼少時に脳の病気やケガになり、頭の働きが悪くなってしまった」場合には、高次脳機能障害という用語は使えません。この場合は「発達障害」という用語が用いられるのが一般的です。この用語の違いを理解すると、発達障害と高次脳機能障害には、「頭の働きが低下している点」では、本質的な違いはなく、あくまで単なる用語の定義のちがいであることがわかります。よって、発達障害の当事者・御家族にも、高次脳機能障害同様の総合的な支援が必要であることがわかります。
高次脳機能障害専門外来担当医:粳間 剛
診療時間
毎週水曜 10:00~20:00
所属学会・資格
- 医師・医学博士
- 東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座 助教
- 特定非営利活動法人高次脳機能障害支援ネット 理事
- 日本リハビリテーション医学会 専門医
- 身体障害者福祉法15条指定医
- 脳核医学画像解析研究会 世話人など
略歴
- H16年3月 東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業
- H22年3月 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科内科系リハビリテーション医学専攻博士課程卒業
- H22年4月 東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座助教
- H22年12月 特定非営利活動法人 高次脳機能障害支援ネット 理事
- H24年3月 神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科第二 医長
- H26年7月 東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座助教