線維筋痛症外来(痛みの治療)は心療内科・精神科の柏駅前なかやまメンタルクリニックへ

慢性疼痛・線維筋痛症外来/プログラム

慢性疼痛・線維筋痛症外来/プログラム慢性疼痛・線維筋痛症外来/プログラム

慢性疼痛・線維筋痛症外来/プログラムについて

線維筋痛症は3ヶ月以上続く原因不明の全身や広範囲の痛みで、こわばり感、
倦怠感、睡眠障害、抑うつ、頭痛、過敏性腸症候群、微熱、ドライアイなどが伴うことがあります。
「特異的圧痛点」(ツボのようなもの)を押して診断しますが、正常の検査ではなにも異常がないのが特徴です。
検査で異常がないため周囲の理解が得られず病院を転々とする方も珍しくありません。
当院では線維筋痛症に対する治療として薬物療法だけでなく、薬物療法以上の効果があるとされている運動療法、ヨーガ、マインドフルネス、認知行動療法などの治療を合わせて行うことで患者さんの苦痛を減らし、充実した生活を行っていただくことを目標としています。

こんな症状の方に

  1. 全身の原因不明の痛みが3ヶ月続いている方
  2. 内科や整形外科を受診し、原因不明あるいは精神的な痛みと言われた方
  3. 維筋痛症と診断され、お薬の治療を受けたがよくならない方

当院での治療


1. 薬による治療法

お一人お一人の症状に合わせた薬物治療を行います。

2. 運動療法、ヨーガ、マインドフルネス、認知行動療法を
  組み合わせた多面的アプローチ

運動療法

線維筋痛症の治療には運動を伴ったアプローチが推奨されています。
お一人お一人の個々に最適な適度な運動とお薬を組み合わせることで、
治療効果を高めていきます。

  1. 痛みが強い方には薬物療法によって痛みを和らげ、運動可能な状態を作ります。
  2. その後適度な運動によって筋肉の強化や規則的な日常の睡眠を確保し、
    線維筋痛症の徴候を改善します。
ヨーガ、マインドフルネス

線維筋痛症など慢性化した痛みの患者さんは、急性痛と違い、島皮質、前部帯状回、扁桃体、前頭前野(図1参照)などの気分や意欲、行動、判断をつかさどる脳の部位に障害が生じてしまっており、これにより痛みが慢性化してしまうことが知られています。この部位に働きかけて機能を整える治療として、当院では医療用ヨーガ、マインドフルネス、認知行動療法を積極的に取り入れています。


図1:急性・慢性疼痛経路

認知行動療法

線維筋痛症などの慢性化した痛みを抱える患者さんは、痛みに対する情動や考え方が固定化され、行動や活動に対する意欲の低下や制限が生じてしまうことが多くみられます。こうした制限や思考の固着に伴うストレスなどから、情動を司る扁桃体や視床下部、自律神経が活性化してしまい、疼痛閾値の低下や情動変化に伴う痛みの感覚認知などの症状が出てきてしまいます。こうした思考パターンを変化させて制限を変容させていくことで、痛みに対する対処をしていきます。

医療関係者の皆様へ

慢性疼痛・線維筋痛症外来/プログラムのお知らせ

近年、線維筋痛症/慢性疼痛の患者様に対し認知行動療法・マインドフルネス・運動療法などの治療法が高い効果を有することが示唆されてきていますが、人的資源やコストなど様々な要因によりあまり普及していないのが現状です。このため、こうした治療法を提供するため線維筋痛症外来および治療プログラムを開設しました。

「この方には認知行動療法などの非薬物療法を試すことが有効だと思われるが、自分の病院では行っていない。」といったケースがあればご紹介頂けると幸です。

まずは担当医が診察し、患者様個々の症状、問題点、全身症状などに合わせたプログラムを作成し実施していきます。
プログラムの構成内容については以下の通りとなっています。

認知行動療法

慢性痛に対する疾患教育を行い、慢性痛を持続させる原因となっている破局視や恐回避信念などのスキーマ(誤った信念)の修正を図ります。また、過活動や極端な活動量の低下など行動的な問題に対しての行動療法的な介入を行います。

マインドフルネス

マインドフルネスとは「今、現在の瞬間に余計な判断を加えずに注意を向ける」トレーニングです。このトレーニングを積み重ねることにより、慢性痛患者に起こっている痛みの記憶の過剰な活性化やネガティブな反芻思考をコントロールする技術を身につける事ができ、痛み知覚の低減、気分の改善、認知機能障害の改善などに大きな効果が期待できます。

ヨガ

視床下部-下垂体-副腎皮質系の過活動、慢性の低レベル炎症、自律神経機能の異常を改善することが示唆されています。これにより不安、抑うつ、疲労感などの陰性感情、自覚的な痛みなどを低減させることができ、快感情を増やし行動活性化を図ることが出来ます。

運動療法

ストレッチング・低強度有酸素運動・太極拳などを行います。主に報酬系への刺激を通じて行動活性化を促し、意欲、気分の改善、自覚的な疼痛の改善を図ります。

慢性疼痛の心理学的アプローチの考え方

線維筋痛症をはじめとする慢性疼痛の治療において、「痛みをとる治療」(疼痛知覚へ直接働きかける薬理学的及び非薬理学的アプローチ)は残念ながら効果不十分なのが現状です。
そのため当院で採用している心理学的アプローチでは、疼痛知覚とフィードバックループを形成している認知・気分、行動の要素にCBT、マインドフルネス、ヨガ、運動療法を用いて介入し、間接的に疼痛知覚の軽快を図っていきます(下図参照)。
このアプローチは疼痛知覚の軽減が得られるだけでなく、同時に認知・気分、行動といった要素も改善させ、患者さんのwell beingを大きく向上させることができます。


慢性痛における痛み 感情 認知・気分のフィードバックループ

慢性疼痛・線維筋痛症外来医師紹介慢性疼痛・線維筋痛症外来医師紹介

院長 中山 貴至

略歴

千葉県出身

東京医科歯科大学医学部卒業

東京医科歯科大学医学部大学院

静和会浅井病院 勤務

柏メンタルクリニックなど勤務

柏駅前なかやまメンタルクリニック開院

所属学会・資格

  • 医学博士(東京医科歯科大学)
  • 精神保健指定医
  • 精神科専門医
  • 認定産業医
  • 日本精神神経学会会員
  • 日本線維筋痛症学会

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